2013年10月29日火曜日

レジン

 博物館なんかでよく売っているもの。透明な樹脂の中に昆虫が入っているもの、それを作ってみた。
 方法は商品名「透明エポキシ樹脂(田宮模型)」を使う方法。これは一般的にレジンと呼ばれているもの。
 主剤と硬化剤を混ぜて透明な樹脂を固める。こう書くと簡単だけど撹拌している時に気泡が発生し、これを除去するなど手はかかる。

 まず主剤と硬化剤を示された割合(この製品の場合2:1)でとり、混ぜる。比率が違ってしまうと固まらなかったり、表面がべたついてしまうらしい。
 気泡を取る方法は容器を温めたり、ドライヤーで暖かい風を当てるなど。今回はドライヤー作戦を採用。

 何を封入するかによって順序は色々あるらしいが、今回は台座になる部分を作って、そこに封入物を浮かべ、固まった後その上からまた封入物が埋まるまでレジンを注ぐ。
 今日行ったのは封入物を浮かべるまでである。

 今回はこの2つをやってみた。



 これは先日スキャンしたコクワガタ♂



 それからスキャン画像を紹介したムネアカセンチコガネ。

 仕事の関係で花もやっている。


 これはジュウガツザクラという秋から冬に咲くサクラ。この花は樹脂で花びらがやや透明になってしまうところが難と言えば難。それと浮かせた花が移動して真ん中から逸れ易いことか。

ホシホウジャク

 朝仕事に出てみると、地面にゴミのようなものが落ちていた。近づいてみると「ホシホウジャク」だった。
 死んでいるのかと思ったら、なんとか生きている。指を差し出すと指先に止まった。


 右の前翅の先端の鱗粉がとれているが、きれいな個体である。


 うまく色が出なかったが、濃い茶色の帯模様の所に緑色が入っていて、苔の生えた樹木のようである。この色合がとても綺麗である。何ともオヤジ好みの渋色!


 複眼にも模様が入っている。よく見ると凝ったカラーリングである。


 ホウジャクの仲間やオオスカシバはなぜ腹端に毛の束をつけているのだろうか?ちょっとエビっぽい?

まだいたの?

 台風一過、樹液の出ているコナラになにかいるかな?と見に行ってみた。


 まだしぶとくオオスズメバチが!しかもこの頃は気が荒くなっているので、近づくと威嚇してくる。夏のようにフレンドリー(?)ではない。
 この個体もこちらを睨みつけたり、腹の先をこちらに向けて「刺すぞ!」と脅しをかけてくる。

 しかしコナラの根本を見ると…


 オオスズメバチが2頭落ちている。奥の個体はまだ生きていて少し動いていたが、弱々しかった。何れの個体も翅が片方なかった。まるで喧嘩に敗れたようでったが、真相はどうだったのだろうか?

2013年10月25日金曜日

ヒゲコガネ

 「ヒゲコガネ」 名前の通り、オスには立派な触角が生えている。昨年通勤途中でたまたま見付けて「都内にもいるのか!」と驚いた。
 昨年捕まえたものを展足してあったのだが、展足の具合が気に入らず今日やり直しをした。やり直しは前に紹介した「シール剥がし」に漬け込む方法である。


 いつものように化粧用のパフを使って展足をやる。コガネムシ類の場合(オサムシ類もかな)、脚が、特に前脚が全体的に持ち上がっていたほうが見栄えが良くなる気がする。そのため、パフは厚めのものを使い、体がよく沈むようにはさみで切込みを入れ、そこに体を沈めてから脚を整えている。
 今回はこの後スキャニングができるように体にピンを刺していない。


 それにしてもオスは立派な触角である。写真は当然のことながらオス!


 触角の他、体の模様も美しいと思う。茶色い翅に白い砂をまぶしたようでシブイ!
 昨年はそこそこの数のヒゲコガネが路上に落ちており、生きているのやら死んでいるのやら拾い集めていたが、今年は個体数が少なかった。手に入れたのは1♀のみである。昨年最後に見たのが9月15日だから、もう確実に今年は新たに見ることはないだろうなぁ。
 それにしてもいつも通勤途中で思うのだが、かなりたくさんの昆虫が路上で踏まれて死んでいる。 つい「もったいないなぁ」と思ってしまうのだが、もし生きていれば自分が通過した時間にそこにいないかもしれないわけで、複雑な気持ちである。でもやはり「もったいないなぁ」と思ってしまうのである。

2013年10月22日火曜日

標本箱

 これまで計画倒れになっていた志賀昆虫行きを今日やっと実行できた。無事ドイツ箱を購入。
 これでやっとチョウを展翅板から外すことができる。
 移した状態がこれである。


 並べ方が雑然としているが、これが今年採集したチョウ全てである。
 種類が少なく、奄美のやつに偏っているなぁ…(箱の下の方にアカボシゴマダラが入っているが、これは東京産のものである。さすがに奄美のやつは持っていない。)

2013年10月20日日曜日

スキャニング

 今週は風邪を引き、3日間寝込んでいた。今年の風邪は喉に来るらしく、喉の痛みがひどかった。
 寝込んでいる間、昔のデータを見ていると昔やっていた昆虫の標本をフラットベットスキャナで読み込んだものを見つけた。久しぶりにやってみたくなり、今使っているプリンター・スキャナ一体型のものでやってみたが、被写界深度がものすごく浅く、使い物にならなかった。調べてみるとセンサーが「CCD」ではなく、「CIS」であった。
 仕方なく昔使っていたものを引っ張りだしてみた。これはセンサーが「CCD」であるので、深度は稼げる。
 引っ張りだしてみると、スキャニング面のガラスの内側がカビていた… そのままスキャンしてみると画像がぼやけて使い物にならなかった。
 スキャナーをばらしてガラスの掃除を行いスキャンしたものがこれ。個人的には結構好きな昆虫である。


 ムネアカセンチコガネの雌である。これくらい小さいものだと全体的にピントが合って見える。また、物が小さいのでそこまで必要ないか、と思いつつも1,200dpiで取り込んでみた。


 腹側もスキャンしてみた。実はスキャン中に右中脚のふ節が取れてしまったのだが、そこはデジタル。左脚側をコピーして、左右反転してくっつけるとご覧のように何事もなかったかのようになってしまう。
 あとは背景にうっすら出る影が気になるところだが…

2013年10月12日土曜日

残念

 今朝はまだ蛹だったのだが、ついさっき見ると羽化してしまっていたクロメンガタスズメ…


 翅が伸びきらないうちに随分暴れたようで、翅が上手く伸びきらず曲がったままで固まってしまっている。鱗粉もだいぶ剥げ落ちている。
 羽化後登る場所を作っておいてやらなかったのが失敗だった…

2013年10月11日金曜日

アキアカネ

 先日出張で埼玉県に行ってきたが、その時に一番多く見た昆虫がアキアカネだった。

 周辺の田んぼも稲刈りがすっかり終わっており、昆虫のシーズンも終盤になってきてしまったのを実感した。


 赤トンボの仲間は羽の色や模様、胸の黒条で見分ける場合が多い。アキアカネによく似ているのはナツアカネ。この2種類は胸の黒条の形で同定を行う。
 前から2本目の黒条の上端が斜めに切れているので、コイツはアキアカネ。ナツアカネは黒条がブッツリと直角に切れている。


 アキアカネの顔を正面から。何となくゆるい顔つきが結構好きである。

2013年10月4日金曜日

また雑木林に

 同僚と虫談義をしているうちにまた夜の雑木林に行きたくなった。帰り道に雑木林に立ち寄ってみると…


 夜だというのに、まだこいつらがいる。オオスズメバチ。あまり動かないけれども、まだ樹液を飲んでいるようだ。

もういないかな、と思っていたらいた、コクワガタ。オスがメスを守るように覆いかぶさっている。最近の研究ではカブトムシがいなくなってからクワガタはまた増えるらしいけれども、さすがにノコギリクワガタはいないか…

小さいものがモゾモゾしていた。よく見るとヨツボシケシキスイ。こんな時期でもまだ頑張っている。


 驚いたのはこんなものが樹液をなめに来ていたこと。結構な数のコオロギがいた。


 そして…
 いました、コシロシタバ。前に来た時よりもだいぶ翅が傷んでいる。それでも後翅の白が撮影できました!