2013年12月13日金曜日

コアオハナムグリ


 その名の通り青(緑)色をした小さなハナムグリである。

 個人的にはこの虫は好きで、捕まえて握りこぶしのななに入れるとモゾモゾしながら指の間に潜ろうとする行動などが好きである。
 花の中に頭を突っ込んでいることがあり、これがハナムグリ(花潜り)の名前なのだろう。

 中学1年の秋、学校の帰りにコアオハナムグリを捕まえ、自宅に持って帰った。
 観察記をつくろうと、シャーレにスポンジを入れ、蜂蜜を薄めたものを含ませて、それを餌にすることにした。
 数日飼ってみたが活動に目立った違いはなく、毎日スポンジにかじりついているだけである。
 中学生にとって、これは大変つまらない。
 思いついたのが耐熱実験であった。
 もう秋もだいぶ深まっており、我が家ではこたつが出されていた。
 こたつの温度設定を“強”にして“暑さ”を作り出し、どこまでこの虫が平気か試したのである。
 ハッキリとは覚えていないが、多分40度後半だったと思う。
 それまでもがいていたコアオハナムグリは動かなくなった。
 外へ出しても全然動かない。
 その頃は生き物は高熱下では身体を構成するタンパク質が変性するなど知らないし、ましてや生きていくこと自体が不可能なことを理解していなかった。
 
 コアオハナムグリはたまに触角を動かすくらいで、殆ど動かなかった。
 餌だけはずっとやっていたが、そのうちに死んでしまった。

 今思えば、地獄を作り出していたわけで、結局観察記らしいものもできなかった。
 さすがにそれ以降は同じことをすることはなかった。

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